スターリンに捧げる
人民文学編集部 編
1953(昭和28)年/『人民文学』5月号所載
1,000円  A5判(148×210ミリ)/20頁
スターリンの死に伴って急きょ編まれた、『人民文学』同年5月号の小特集。詩4篇の作者の一人に黒田喜夫がいる(「偉大な人に」)。 また、ジョルジョ・ルカーチ「芸術史の著述について」の訳文を載せている。スターリン治下の粛清や個人崇拝を暴露した、いわゆるスターリン批判(ソ連共産党20回大会のフルシチョフ報告)の3年前であり、まだ「スターリン崇拝」の真っ只中の時期だった。 スターリンを人間的・文学的・芸術的に偉大な指導者として顕彰しようとする意図が、執筆者にも編集サイドにも顕著である。雑誌の原定価は100円。
司法研究 第十二輯
司法省調査課 編
1930(昭和5)年/並製
3,000円  A5判(148×210ミリ)/510頁
内容は報告書3篇で、筆者は3人とも検事。3篇のタイトルは「プロレタリア芸術運動に就て」「左傾思想者の個性と環境」「我国 に於ける現時の社会思想と思想犯人に対する行刑」。発行は昭和5年。表紙には「極秘」の朱印が捺され、治安当局(思想検事)ら の内部研究・内部閲覧のための文書であったと思われる。また、司法側が裁判に備え、綿密な準備をしていた証左でもある。
博士奇行談
岩崎勝三郎 著
1902(明治35)年/東京大學館 発行 並製
4,000円  四六判(128×188ミリ)/216頁
人物を正面からでなく、側面から見ることを重視し、明治期の博士56名をその放談・奇言・洒落・豪放・頓智・失策の面から紹介する。 取り上げるおもな人物は、松本順(医)・加藤弘之(文)・一木喜徳郎(法)・高木兼寛(医)・中村正直(文)・森林太郎(医)・井上円了(文)・坪内勇蔵(文)・西村茂樹(文)・村上専精(文)・高峰謙吉(工)・髙田早苗(法)・ 上田萬年(文)・北里柴三郎(医)・金子堅太郎(法)・重野安繹(文)・穂積陳重(法)・末松謙澄(文)など各分野の著名な人士がある。原定価・25銭。
ドイツ留学と乃木将軍の変身
中川 勇 著
1978(昭和53)年/雑誌『偕行』331号掲載
2,000円  四六判(128×188ミリ)/24頁
雑誌『偕行』は現在も公益財団法人 陸修偕行社が発行している。偕行社は、戦前は帝国陸軍将校の親睦団体であった。 戦後、その機関紙の第331号に掲載された中央乃木会会員(陸士45期)の論文。乃木希典は初期、ハイカラで洒脱な将校として知られたが、日露戦争・旅順戦の采配、明治帝への殉死を以て、峻厳で古武士的な将軍へとイメージが一転する。 筆者はこの転換=「変身」がドイツ留学とそこでの経験だったと論じ、乃木の評価に一石を投じた。「乃木=凡将」論への反証とする。発行当時、『偕行』の原定価は250円。
北海道地名解
礒部精一 著
1918(大正7)年/富貴堂書房発行 上製
3,800円  四六判(128×188ミリ)/220頁
北海道の地名は、国名・郡名・村名・字名、川・山・湖・岬の名など多くがアイヌ語の音写である。その採集を網羅し、由来する原語・原義を紹介する。 附録として、アイヌ語と日本語の比較などを説く。著者は吉田東伍博士『大日本地名辭書』などを参照しその配列に倣いつつ、北海道在住13年の研究成果として本書を上梓した。原価65銭。
中岡艮一の刑の量定に關する予の辯論
今村力三郎 著
1948(昭和23)年/今村著『法廷五十年』 掲載
2,000円  四六判(128×188ミリ)/60頁
著者は大逆事件(幸徳秋水)・虎ノ門事件(難波大助)・原敬暗殺事件・朴烈事件・帝人事件など、戦前の数々の著名事件の被告弁護を担当した弁護士。 国家主義・天皇主義の時代にあってつねに人権擁護を旨とした。その経験に基づき、戦後の昭和23年に『法廷五十年』を執筆して弁護活動を回顧。本書はここに掲載された論文である。 原敬首相暗殺事件被告・中岡艮一(大審院で死刑宣告、のち減刑)の弁護士として、原敬がいかなる政治家だったかを明らかにし、その点を判決(量刑)が省みないことを遺憾としている。原定価・250円。

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